情報流出

昔は結構ゆるい時代である。普通のプロバイダでもAnonymous FTPがあり、インターネット黎明期のわれざーは、市販アプリなどのアップローダーとして使っていた。Anonymousとは文字通り匿名のことである。当時はサーチエンジンというとYahooのようなディレクトリ型サーチエンジンが一般的で、ロボットが勝手に情報を拾って蓄積という感じではなかった。このため、情報流出したとしても被害は極めて限定的である。また、まだ2chもさほど有名ではなかったので、祭りになることもなかったし、なったとしてもごく一部でしか話題にならなかった。せいぜい、エミュROMなり、MP3などを明らかに権利者にバレやすい方法でアップしているサイトの掲示板を攻撃する程度であった。ちなみに、表のサイトというと、結構実名で書いてあるサイトが多かった。今でも90年代末期から2000年代初頭にかけての更新されていないサイトを見ると、ペンネームではなく、実名で書かれている場合が多い。

また、この時代のパソコンはとにかく爆音だった。性能優先で静音性なんて言葉すらなかった。Macならば本来は、ドーターボード1SonnetのCrescendoを買ってCPUを交換するところを、コスト削減のため元々あるPowerPCのドーターボードにシールを張り付けてオーバークロックとか、AT機の場合、マザーボードのレギュレーターを交換して過電圧を加えてオーバークロックしたり、Slot 12のCPU部分にペルチエ素子を付けて、それを水冷で冷やしたり、場合によっては液体窒素でオーバークロックに挑戦というのが一般的だった。当然爆音なので、長時間パソコンをつけっぱなしにしているということはあまりなく、またインターネットそのものも従量課金制だったり、テレホーダイの時間にならないとうかつにネットが出来ないという時代だった。

だから、WinMXの時代はあまり情報流出というのはなかった。どちらかというとネット上で個人を特定できるような情報をうっかり公開という自爆型が多かった。もっとも、前述のとおり実名でサイトを運営する人が多かったので情報流出とはちょっと違うかもしれない。

問題になりだしたのは、オンラインゲームが流行した頃である。RMTのページと若干内容がかぶるのでそちらも見てほしい。とくにラグナロクオンライン系が多いのはやっぱり・・・。

お兄ちゃんどいてそいつ殺せない

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これは、ラグナロクオンラインのベーターサービスが始まった頃に伝説となった、情報流失&ストーカー事件である。どういうわけか、ある男のプレイヤーを「お兄ちゃん」と慕う「月宮あゆ」という女性プレイヤーが、当時の運営元のグラビティ社から流出した個人情報をもとに、その男のプレイヤーの下宿先にリアルでやってきて、怖くなった男のプレイヤーが警察に通報し、逮捕されたというものである。ここで注意して欲しいのは、当時の企業は例外なくセキュリティ意識が低く、AnonymousFTP上に個人情報などが表示されている事が大手プロバイダでもあり、別にグラビティ社だったから管理がいい加減だったという事ではない。問題なのは、そういう情報でリアルを侵食したorされたらどういう事になるのか?である。

事件の詳細については、S県月宮を見てほしい。十分すぎるほど破壊力がある。

この、「お兄ちゃんどいてそいつ殺せない」は、その女性が警察に取り押さえられるときに放った言葉である。ここで言う「そいつ」とは警察のことであろう。他にも、警察に捕まったときは「妹の私が来るのにお兄ちゃんまさかお外にいるとは思わなかったんだ。もしかしたら魔女に捕まってるかと思ってね、どうにかして助け出そうかと思ったの」・・・魔女って

なお、この事件はPROJECT "D"で歌にもなっており、電波ソングの一つとして有名である。まぁ、だいたい想像つくと思うが、S県月宮は、このサイトの萌え絵のような人間ではない。くれぐれも、おかしな妄想をしないように。

FFXIβしぐる(Cygle)事件

ここでのしぐる事件は、FF11裏話ではあまり書かなかったし、本当に情報流失があったのかは定かではない。捏造の可能性もあるためだ。当時の晒しスレも、やはりカオスであった。さて、実際自分は、自分のサイトを盛り上げるためにFF11関連のスレに入り浸りだったわけだが、初期の晒しスレは、気に入らないプレイヤーがいたらそれを報告するだけのものであった。これがおかしくなった契機がこの「しぐる事件」だったというわけだ。

晒しスレで話題になるプレイヤーの多くは、ノーマナー行為を繰り返していたこともあるが、オンラインゲームにおいては、何がノーマナー行為なのかの線引き自体存在してなかった。例えば、ウルティマオンラインでは、プレイヤーを殺すPK行為などが、ゲームシステムに存在するばかりか、そういった行為を生業とする悪人として生きて行くということも可能であった。そういう、悪人プレイをするプレイヤーが、サービス開始間もないネトゲに来ればトラブルになるのは当然のことである。

で、どういう行為で、祭りになったのかは、狩場の占拠である。2ちゃんねらーが、どこからもってきたのか、しぐる本人のものとする写真をネットにアップした。で、お祭り騒ぎに。で、当の本人はどうなのかというと、最後の日まで全然気にもとめずに、気にもせずやりたい放題だった。この余波で、調子に乗った厨房が他のコミュニティサイトで暴れて、軒並み壊滅状態になったのは言うまでもない。

ポイントなのは、東海大というプロフィールである。例えば自分がFF11βをプレイしていた当時は、やたらと自称東海大生が多かった。しぐるは、東海大の九州のキャンパスのなんとか学部の3年生というふうにきいた。

ネトゲ実況板における晒しスレは、この事件が起源である。この結果、調子に乗った厨房プレイヤーが晒し行為をサーバー別のスレでも行うようになり、本来はパーティーメンバーを募集する目的のスレが、実質晒しスレとなってしまった。これは、ネトゲ実況板で晒し行為が禁止されるだけで収まらず、結局北米サービス開始でプレイヤースキルの低い外国人プレイヤーが流入するまで続いた。

ちなみに、自分は、後日正式サービス開始後、アルファネット使用の埼玉在住というところまで晒された。って、IP抜かれただけで全然流出になってねーじゃん。しかも、晒された時点では隣の市に引っ越しており、プロバイダはThn.jpを使っていたし。晒しスレの個人情報は本当にいい加減である。

P2Pによる情報流出

これまでの情報流出は、当人にとっては洒落にならないが、それでもまだ、笑ってごまかせる程度のものである。これが、本格的に恐れられるようになったのはP2Pの暴露ウィルスからである。

そもそも、初期のWinnyで2003年に現れたNyarlathotep(ナイアルラトホテップ)では、せいぜいキャッシュを勝手に空にする可愛いものだった。それが、翌年から共有フォルダの対象を勝手に全フォルダに変えたり、勝手にHTTPサーバーを立てて定期的にスクリーンショットを設置する山田ウィルスの原型が現れるようになった。

特に、初期のP2Pにおいて、ハードディスク全体を共有フォルダにしてしまうウィルスは凶悪であった。それが拡散する過程でリネームされ機密情報などハッシュが使われるようになると個人情報駄々漏れである。しかも、Winnyを起動していること以外本人には気づくすべがない。

FF11ロリ暗黒騎士事件

又聞きではあるが、山田ウィルスに感染した暗黒騎士のプレイヤーが2chの暗黒騎士スレに投稿したところがアップされるという事件が発覚した。まぁ、ここまでは山田ウィルスではよくある話だが、同時にアップされたスクリーンショットが常軌を逸したものだった。

なんと、はじめてのおるすばんのようなロリゲーを4つ起動してプレイしている様子がアップされていたのだ!参考画像(エロ注意)

この様子は全然関係ないスレにも飛び火し小さなお祭りに・・・。なにはともあれ、情報流出するとこういった恥ずかしい情報まで社会に公開されてしまうという教訓である。

しかし、暗黒騎士がロリ好きというのは案外決まったことなのかもしれない。例えばファイナルファンタジー4の場合、序盤のストーリーが・・・

  1. 城追い出された主人公が、幼子の母親を殺す
  2. 幼子を砂漠へ洞窟へと連れまわす
  3. 気がつくとその幼子はなついている。(ストックホルム症候群か?)

という流れだし。